英語では /w/、/r/、/j/ の 3 つある。
移行音というのは口の何処かで空気の通り道が細くなる場所を作って、それを広げながら発音する音だ。
といっても分からないよね。まず、わかりやすい /j/ から説明をしよう。
/j/
「ジェ」じゃないぜ。「ヤヰユヱヨ」だよ。”Jesus” は英語では「ジーザス」だけど昔のイタリア、つまりラテン語では「イエズス」、たぶん、もっと正確には「ヰズス」だったのだろう。
「ヤユヨ」と言ってみよう。「ヤユヨ」は舌の真ん中と上顎の天井で「空気の通り道が細くなる場所を作って、それを広げながら発音する音」なんだ。そういうことなんだけどわかるかい?
/w/
「空気の通り道が細くなる場所を作って、それを広げながら発音する音」というのがどういうものかわかればしめたものだ。/w/ は唇を丸めて空気の通り道を狭くして、それを広げながら発音をするんだ。
英語っぽく “wax”、”walk”、”way” が言えるかい?
“wood” (/wʊd/) では /w/ の次の母音の /ʊ/ も唇が丸まってあまり開かないんだ。移行音は空気の通り道が広がるように動かしながら発音をする音なわけだけど、広げたさきの /ʊ/ があまり広くないんだから、”wax”、”walk”、”way” のときよりも /w/ はもっと狭いところから始めないとならない。もっと狭いところから始めないと広げるように動かすことができないんだ。
/r/
さあ、/r/ だよ。日本人が苦手だと思いこんでる音だ。でも、そんなことはない。発音の仕方を知らないだけで、難しい音ではないんだ。
/j/ や /w/ と同じで「空気の通り道が細くなる場所を作って、それを広げながら発音する音」だ。
空気の通り道を細くする場所だけど、/tr/、/dr/ を発音する場所だ。「チャ チュ チョ」よりも後ろ、ギリギリで「チャ チュ チョ」に聞こえる場所だ。そこで「チャ チュ チョ」と言って舌先が上顎から離れたところで舌先と上顎で空気の通り道を狭くして、それを広げながら “right” と言ってみよう。それが /r/ の音だ。
巻舌にはしないよ。いかにも日本人っぽくてカッコ悪いんだ。/r/ も「空気の通り道が細くなる場所を作って、それを広げながら発音する音」だよ。