子音は「発音する場所」、「発音の仕方」、「無声/有声」の3つの組み合わせで分類をしたけれど、母音は舌が前にあるのか後ろにあるのか、そして高い位置にあるのか低い位置にあるのかで分類をしている。
↑ 高い | |||||||||
「イ」 | 「ウ」 | ||||||||
「エ」 | 「オ」 | ||||||||
「ア」 | |||||||||
↓ 低い | |||||||||
← 前 | 中 | 後ろ → |
日本語の母音は「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の 5 つだけど、「イ」と「エ」と「ア」を発音するときは舌は前の方、「ウ」と「オ」は後ろの方にある。
舌が低い位置にあるときには舌を載せているその土台の下顎も下がるので口は開く。逆に舌が高い位置にあるときは下顎も上に移動するので口の開き方は狭くなる。「ア」は舌は低くて口は開いていて、「イ」と「ウ」は口の開きは狭くなる。「エ」と「オ」はその間くらいのはずだ。
では、どれくらい?「イ」は「エ」よりもどれくらい舌の位置が高くなるか、逆に「ア」は「エ」と比べてどれくらい口が開くのか?「オ」はどれくらい舌が後ろにさがるの?
「イ」は確かに「エ」よりも高い位置にあるし「オ」は「エ」よりも舌は後ろに下がるけれど、「どれくらい」かを表すことは難しい。っていうか、無理なんだ。上の図でも上下、前後の関係は正しいけれども、それぞれの音でどれくらい離れているか、距離についてはいい加減だ。耳を頼りにいい位置を探して舌の筋肉に覚えさせるしかない。英語の母音も「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」よりも上か下かを手がかりに、耳を頼りにいい位置を探していこう。
英語の母音
区別をしなければならないのは12種類だ。
前舌母音 (舌が前よりの母音): /i/ /ɪ/ /e/ /æ/ /a/
後舌母音 (舌が後ろよりの母音): /u/ /ʊ/ /o/ /ɔ/ /ɑ/
中舌母音 (舌が前でも後ろでもないもの): /ə/ /ɚ/
日本語の5つよりも遥かに多いよね。でも、キミの辞書にはもっとたくさん載っていないかい?なんで12種類だけでよいのか、理由は2つだ。
まず、英語には二重母音、三重母音というのがある。異なる母音が2つ、3つ並んだものだ。二重母音、三重母音というのはそれで 1 つの母音で舌が動きながら発音するものなのだけど、12個の要素の2つ、3つを組み合わせたものと思っていいよ。組み合わせまで考えて数を増やしてややこしくする必要はないよ。まず、12個をしっかりと覚えよう。
次に、キミの辞書には「アメリカ英語」と「イギリス英語」の母音の違いまで書いていないかい。「アメリカ英語」でも「イギリス英語」でもオーストラリアの英語だってフィリピンの英語だってなんだっていいんだ。1つをモデルにしてマスタしようよ。
ここで説明をしているのは「外人っぽく聞こえる英語」なのでどこの国の英語でもないんだけど、たぶん、強いて言うなら「アメリカ英語」に近いんだと思う。