子音は「発音する場所」、「発音の仕方」、「無声/有声」の3つの組み合わせで下の表のように分類している。
両唇 | 唇と歯 | 歯 | 歯茎 | 歯茎から硬口蓋 | 歯茎の後ろ | 硬口蓋 | 軟口蓋 | 声門 | ||
破裂音 | 無声 | /p/ | /t/ | /k/ | ([ʔ]) | |||||
有声 | /b/ | /d/ | /g/ | |||||||
摩擦音 | 無声 | /f/ | /θ/ | /s/ | /ʃ/ | /h/ | ||||
有声 | /v/ | /ð/ | /z/ | /ʒ/ | ||||||
破擦音 | 無声 | /ts/ | /tʃ/ | /tr/ | ||||||
有声 | /dz/ | /dʒ/ | /dr/ | |||||||
鼻音 | 有声 | /m/ | /n/ | /ŋ/ | ||||||
側音 | 有声 | /l/ | ||||||||
移行音 | 有声 | /w/ | /r/ | /j/ | (/w/) |
ちなみに、日本語は「イ段」、「ウ段」では「ア段」、「エ段」、「オ段」と子音が代わってしまうことが多い。
例えば「タ行」。「タ」、「テ」、「ト」は /t/ に近いが「チ」は /tʃ/、「ツ」は /ts/ にそれぞれ近い音だ。日本語は 「イ段」、「ウ段」では舌が平らになって舌の真ん中が上顎に近くなってしまうんだ。
英語ではそれぞれの子音の後ろにはあらゆる母音が現れる可能性がある。”sit” (/sɪt/) を「シット」と発音すると “shit” (/ʃɪt/) のように聞こえてしまう。日本語は「ア段」では「サ」と「シャ」は明らかに違うのだけれど「イ段」では「シ」しかないんだ。そういう違いにも気をつけよう。
「発音する場所」
「唇」と「歯」は説明しなくてもわかるよね。
歯の後ろは舌で口の中でなぞって確認してみよう。
上の歯の付け根のところ、口の中で肉が出っ張っているのを舌で触って感じることができるかい?そこが「歯茎」だ。
そのまま舌を上顎を後ろの方に移動していってみよう。歯茎の出っ張りの直後は上に向かう縦の壁になっていてるが、曲線を描いてだんだんと水平の天井につながる。そこまでは肉の下には骨が感じられて硬いはずだ。この部分を「硬口蓋」という。
舌を巻いて更に奥のほうにたどってこう。あるところまでで骨は途切れてその先は柔らかくなるだろう。そこが「軟口蓋」だ。
舌でなぞることができるのはここまでだろう。あとは口の中を鏡で覗いてみよう。軟口蓋は再び曲線を描いて後ろの壁へと下がっていく。いわゆる「のどちんこ」が見えるはずだ。
その先は見ることすらできないのだが奥は喉につながっていて、その先は食道と気管に分かれる。気管の入り口あたりに声帯があって、そこを「声門」という。
「無声/有声」
「無声」と「有声」の違いもざっくりとはいいよね。声帯が震えないのが「無声」、声帯が震えるのが「有声」だ。日本語だと「無声」は「カ行」、「サ行」、「タ行」…、「有声」は「ガ行」、「ザ行」、「ダ行」…などだ。
「ざっくり」というのはだが、日本語の「無声/有声」と英語のそれは実はちょっと違っている。英語の「無声」に相当する音声は日本語の「無声」よりもエネルギーの強い音で、英語では「無声/有声」よりもエネルギーの強弱で使い分けているようなんだ。英語では「無声/有声」ではなくて「強音/弱音」と区別する学者さんが多い。専門家でもないので「無声/有声」であろうが「強音/弱音」であろうがどっちでも良いのだが、英語ではとくに「無声」の子音は日本語とは違うんだということだけを覚えておいて。細かくは後で説明をするよ。
「発音の仕方」
英語では発音の仕方で「破裂音」、「摩擦音」、「破擦音」、「鼻音」、「側音」、「移行音」の6種類に分類する。